最近、うちの愛犬の様子がおかしいのです。頻繁に少量のおしっこをするし、しかもちょっと嫌な臭いがするんです。今までこんなことなかったので心配です。まさか重大な病気でしょうか・・・?
愛犬の健康状態を知るために
人間の医学の歴史を見ても、尿と便の検査は昔から重視されていました。近代の先進的な医学がなかった頃、外から見てわかる健康情報は尿や便だけだったからです。
日々の健康状態により、消化器や泌尿器は影響を受けるので、当然、排泄物の状態も変化します。それを経験則で分析しながら診断をしてきた歴史がありました。もちろん、今日でも尿や便は様々な検査の基礎となっていますし、尿や便の検査が高度化され、そこからの情報がより価値を持つようになっています。
これは犬の場合も同様です。日々、尿や便を観察しておけば、わずかな体調の変化をより早く察知できます。
もちろん、すべての変化が病的なものではありません。暑いときに水を十分に摂取できなければ濃い尿がでますし、薬や食べ物によって色や臭いに大きな差が出ることもあります。通常の生理的変化の範囲かどうかは即座には判断できないでしょう。
そんなときは、検査をすることで真実を知ることができます。自分の主観で愛犬の異変を放置しないようにしてください。尿や便の変化は、泌尿器や消化器の部分的な問題ではなく、体全体の深刻な問題を反映したシグナルであるかもしれません。
愛犬の尿や便のトラブルを以下に明記してみました。実際にはほとんどが「変なものを食べてお腹を壊した」「尿結石または細菌感染で膀胱炎になった」という診断になります。適切な対処をすれば治りますし、深刻な問題にはなりません。
しかし、例外的に、内臓疾患や腫瘍など、死に直結する重大な疾病であることがあります。以前から気になる症状が断続的に発生していたにも関わらず、飼い主が放置してしまったために、手遅れになってしまうケースもあるのです。小さな変化を見逃さないためにも、尿や便のチェックを欠かさず行ってください。
尿のチェックポイント
尿からわかる愛犬の病気はたくさんあります。尿のチェックであれば、毎日のようにできますし、わざわざ動物病院に行く必要はありません。手軽にできるので日課にしてください。
膀胱炎
尿の臭いや血液が混じっているなどの症状があれば、膀胱炎の可能性があります。また、排尿時に痛がったり、尿の回数が増えている場合もそれに該当するかもしれません。膀胱炎とは、文字通り、膀胱内の炎症のことで、雌犬に多くみられます。それほど深刻な病気ではなく、動物病院で処方される薬を服用すれば、1週間程度で完治します。
ただし、膀胱炎は再発しやすいので注意が必要になります。一度膀胱炎になったら、定期的な尿検査をした方がよいでしょう。お水をしっかりと飲ませて排尿させることや生殖器付近を清潔に保つことも大切です。膀胱炎を何度も繰り返すと結石ができてしまう可能性があり、最悪の場合は手術で取り出さなければいけませんので、しっかりと予防してあげましょう。
糖尿病
人間も高齢になると糖尿病の心配が出てきます。主に飲酒が原因であることが多く、ひどい場合には失明や部位の切断に至ります。
もちろん、犬にも糖尿病はあります。初期症状は人間と同様で、喉が乾くので水をたくさん飲んだり、食欲があるのに体重が減るなどが象徴的でしょう。詳しくは病院の血液検査で判断することになりますが、糖尿病になると、食事制限や毎日のインスリン投与などをしなければいけません。治療も人間と同じような内容になりますので、かなり不自由な生活を余儀なくされます。
腎臓の病気
腎臓が悪い場合も尿に症状が表れます。尿の量が多かったり、色が薄い水のような場合は、なんらかの病気が疑われます。腎臓は食事制限や薬の服用などにつながり、愛犬の自由を奪うことになってしまいますし、長期的に付き合わなければいけない病気であることも多いので、治療費などの面で飼い主に負担がかかります。そうなる前にしっかりケアしてあげてください。
尿のチェックポイント一覧
色が薄い | 水を飲みすぎている。腎臓からの尿生成が多い |
色が黄色い | 水が足りない。黄疽がでている。ビタミン剤の投与の影響 |
色が赤い | 血尿や血色素尿 |
色かこげ茶 | 腎臓~膀胱のどこかで出血していて、しかも時間が経過している |
にごっている | 雑菌の繁殖。粉状の尿結石。炎症によるたんぱく産物が混ざっている |
腐敗臭がする | 雑菌が繁殖している |
少量を頻繁にする | 膀胱炎を引き起こしている |
勢いが弱い | 結石や腫瘍で流路がふさがれている |
便のチェックポイント
便の回数
犬にとって、適性な排便回数はありません。毎日3回以上排便をする犬もいれば、1日1回の犬もいます。犬種や個体によって様々です。異常であるかは、正常時の回数との比較で判断するしかありません。
回数が増えるケースは、大腸が原因の下痢である場合が大半です。大腸性の下痢はゼリー状の粘液便が見られます。また、出血があることもありますが、大事には至らないことが多いです。一方で小腸性の下痢で出血した場合は深刻な病気が多いようです。黒色に近い便になり、食欲が消失することが多いという特徴があります。
便の量
人間の場合、太くて適度な柔らかさの便が快便の証ですが、犬は少し違います。
実際、便の量が多い場合は、ドッグフードが原因であることがあります。良質のドッグフードは与えた量に対して意外に便の量が少ないのですが、ダイエット用のドッグフードの場合などは、食べた気にさせる必要から、嵩上げのために大量に食物繊維が混ぜ込んであります。そのために便が多くなります。もしダイエットドッグフードを与えている場合は、便の量が多くても心配いりません。
便のチェックポイント一覧
色が薄い | 下痢気味で水分が多いと、便が薄く見える。胆汁が十分にでていない |
色が茶色い | 食べ物の変化 |
色が黒い | 胃〜小腸など、消化管の上流で出血がある。鉄分が豊富な食物を与えた |
色が真っ赤 | 大腸〜肛門など、消化管の下流で出血がある |
硬すぎる | 水分が不足している。便秘で大腸に長い間とどまっていた |
下痢 | 腸のトラブル全般 |
時間がかかる | 下痢と便秘の両方に見られる。大腸腫瘍の可能性も |
飼い主が尿や便を確認
愛犬に室中で排泄をさせている場合、尿や便の観察は比較的容易かもしれません。尿は通常、シートにさせている場合が多いと思いますが、色付きのシートだと、わずかな血尿やその他の異常に気づくのが遅れる可能性があります。見栄えをよくするため、青や緑に着色された製品が多いのですが、尿疾患の既往歴がある愛犬は、白色シートの使用をおすすめします。
結石歴がある愛犬は、定期的に黒い紙か布をシートの上に載せ、その尿をよく観察してください。結石があれば、細かい塩粒のようなシャリシャリが発見されるはずです。
便は捨てる前によく見てください。シートやテイッシュ越しに硬さを確認し、ときには少しつぶして内部の様子も確認しましょう。便は時間が経つと乾燥して表面が黒くなり、硬さも増すことも覚えておいてください。特にトイレシートは水分を奪うため、やわらかい便がふつうの便に見えてしまうことがあります。
外で排泄している場合も同様ですが、尿は確認が困難なので、空き容器などを利用した使い捨てのひしゃくで尿を受けると、比較的容易に観察できます。月に1回程度でかまいません。もちろん、既に健康に問題を抱えている愛犬の場合は、もっと高頻度で見てあげる必要があります。
便の場合、暗い時間に散歩をしている人は、便を持ち帰ってから明るいところで確認しましょう。散歩中に便をさせている飼い主は、便の状態に無関心であるケースが多いようです。頻繁にチェックしてあげる習慣を付けてください。その小さな気遣いが愛犬の健康を維持させるのです。
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